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くず人間の更生記録(にしていきたい)。人間初心者の個人的見解

数学ガール

僕の大好きな本。それは結城浩さんの「数学ガール」シリーズだ。

『数学ガール』シリーズ

この本は僕が高校生の時に読み始めた。内容は数学を専攻している人でなければかなり本格的なところまで踏み込む。もちろん専攻の人からは論証や定義に甘い点も多いだろうと思うが、前提となる知識がない人にとっては十分な内容だと思う。当時の僕には非常に難しかったし、今読み返してもわかりきれないところはある。

 

さて何が面白いのか。まずミルカさんがかわいい。とても賢明で理性的な登場人物だが、突然デレる。たまらない。単なる数学書ではなく一応ストーリーがあるからそこまで怖がらなくても読めるのは初めてのとき本当に嬉しかった。

次にどんな概念が来ても、きちんと[具体例⇄一般]の基本から離れていかないことが素晴らしい。高校で教えてくれることはいつだって手段だ。例えば解の公式。例えば判別式。ベクトル。エネルギー保存則だったり、運動量の保存。でもどういうときにそれを使うのか、どうしてそれが思いつくのかなんて教えてくれはしない。灰色の問題の中から、赤・黄・青を抽出する作業は教えられない。だけどこの本の中では、思いつくために手を動かす様がしっかり描写されている。ここが最も感銘を受けたところだ。考えを思いつくために、キャラクターたちが生き生きと動き始める。その動きや考え方を真似て高校時代苦しんでいた勉強に落とし込むと、世界が開けていった。解法を思いつく基本原則を考えるために問題を解き、自分なりの原則が正しいのか検証するために問題を解いた。これは本当に楽しい時間だった。

最後にちょこちょこ格言めいた言葉が出てくること。これはぜひ読んでほしい。各シリーズに必ず一つは心に残る言葉があるはずだ。

以上3点が僕の面白いと思う点だ。僕がバカだからかもしれないが、サクサク読む本ではない。しかし頭の中でわかる、とわからない、をしっかり線引きしてどんどん思考の世界に潜り込んでいける本だと思う。その思考を助けてくれるキャラクターはわざとらしくなく、頭の中で自然に動き出す。誰でもわかる算数レベルから思考の世界に旅立ち、気付けば数学界の偉人の背中をちらりと見ることができる。そういう面白い本だと僕は思います。

結城浩さんには心から伝えたい。ミルカさんを生み出してくれてありがとうございます。僕はこの本で高校時代の考え方がかなり変わった。勉強に対しておもしろいと初めて思った。本当に感謝しています。

 

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

数学ガール (数学ガールシリーズ 1)

 

 

 

数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)

数学ガール/フェルマーの最終定理 (数学ガールシリーズ 2)

 

 他にもありますが、2つほど貼っておきます…