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くず人間の更生記録(にしていきたい)。人間初心者の個人的見解

Giftedに関して1

少し読み進めたのでまとめる。論文を2本ほど流し読みして例の本を丁寧に読み進めている。

基本的な知識はこの本中心なので偏っているのかもしれない。レファレンスが少ない主張など聞くものではない、というのが持論なだけに巨大ブーメランだが、この本はなかなかに信頼できる書き方をしているので、巷にはびこるGiftedよりかは参考程度に留めておいていいと思う。本気でやるならこの本以外にもいくつも読まないといけないとはわかっていますが、僕は心理学者でも英語翻訳者でもないので出典が少ないことはお許しください…。また誤訳などは含む恐れがあるので、その点もご了承ください。英語できる人間になりてえ…

 

Misdiagnosis and Dual Diagnoses of Gifted Children and Adults: ADHD, Bipolar, OCD, Asperger's, Depression, and Other Disorders (English Edition)

Misdiagnosis and Dual Diagnoses of Gifted Children and Adults: ADHD, Bipolar, OCD, Asperger's, Depression, and Other Disorders (English Edition)

  • 作者: F. Richard Olenchak,Jean Goerss,Paul Beljan,James T. Webb,Nadia E. Webb,Edward R. Amend
  • 出版社/メーカー: Great Potential Press
  • 発売日: 2005/01/15
  • メディア: Kindle
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本題に入る。まずGiftedという単語が少し嫌われがちな単語だと思われるので、認識を改めよう。Giftedとは「胸が大きい」と似ている(男なのに変な例え方をして申し訳ない)。彼女たちは彼女らなりの悩みがある。肩が凝る、性的な目で見られがちなど彼女らの悩みは尽きない。しかし一般にはそんな悩みは認識されがたいし、それ以上に得していることも多いだろうと思われがちだ。本当に幸せなのは平均に収まることだと思うのだが…。

少し例えが悪いかもしれないが、僕が言いたいのはGiftedは単純に平均値から離れた人間というだけで、それ以上でもそれ以下でもない、ということだ。貧乳より巨乳の方がマシかもしれない。得することも多いかもしれない。だけど彼女らには悩みがある。人とは違う目で見られることも多かろう。問題の大小はさておきGiftedもその程度の問題だ。「神から授けられた」というニュアンスが語弊を招きがちなのでその点をまずは修正したい。

さてGiftedは困っている。そもそも相談すらしにくい。「私Giftedかもしれない」なんて相談したらどうなるだろうか。そもそも概念を知らないし、次に自慢かよと一蹴され、困っている事実以上に先天性の違いに嫉妬され、人と違うことを否定的な目で見られる。自分で調べようにもまず情報が少ない。日本語での情報があまりに少ないのでわざわざ洋書を読むしかないのだ。実際ギフテッドと調べると、「天才の育て方」などが出てきてバカバカしいと言うほかない。負の側面について困っているんだから、陥りやすい症状・考え方、またそれの対処の仕方などをどうか引っ張ってきてくれ。

 

批判はこれくらいにしよう。胸のサイズ問題は僕は男なので聞く以上には理解できないが、Giftedも大変困っている。彼らの共通点は次のように記されている。

An almost universal characteristic of gifted children and adults is that of intensity.

一言で言うと「強烈、激烈」といったものだ。極端と言ってもいいかもしれない。何が強烈なのか。それはドンブロフスキの理論に頼ろう。

ドンブロフスキはGiftedの激しさを"overexcitability"(以下OE)と名付けた。人は刺激に反応し興奮し、そのことにより成長などの何かを得る。その刺激への反応が"over"に"excite"してしまう。その傾向は高い知性を持つ子供・大人に良く見られ、このことを"overexcitability"という。

過剰な反応は正負、両方の感情に作用する。こうした特徴により、彼らはいくつかの症状を起こしがちだ(詳しくは次回)。アスペルガー症候群ADHD強迫性障害、そしてExistential Depression(僕はこれに該当するんじゃないかな。自分はGiftedだとは到底思わないけど、EDは割と当てはまると思う。断じてErectile Disfunctionではない)。それだけでなく、その他もろもろの問題点がある。

 没頭してそのほかを放置してしまう、感情が制御できない、質問をやめられなかったり知識をひけらかす、仕事を淡々と続けること以上に不安や意味のなさに恐怖を感じて辞めてしまう…

こんなの一社会人として認められない、と感じることばかりだ。でもGiftedと呼ばれる所以は過剰な反応に対する正の面だ。刺激に対して意味を見出す思考能力や帰納的・演繹的な試行錯誤、想像力であったり、芸術的な能力に秀でていれば具体から抽象を描き出す力も突出している。こうした刺激への正の反応をアウトプットできれば、確かに人よりも優れている場面は多くなる。

一方で反応を形に出来ない場合はどうだろうか。刺激から逃げてしまえばどうだろうか。Giftedは一転「変な子・人」になってしまうのではないだろうか。例え自身の反応をうまく出力できたとしても、過剰な負の反応は消えることはない。GiftedのIntensityは消えることはあまりない。自身の激しさとはうまく付き合っていくしかない。こうした情動の激しさは思考や学習の方法と深く関係している。次回書くとしたらその点を書こう。

 

さて随分長くなってしまった。まとめると「Giftedは悩んでいる」という主張をしたいだけなような気もする。OEは自分がわかってあげないときっとつらい。本来あるべきはそうしたことを教育段階で気づき、親がまず理解してあげること。次に自身が経験とともに次第に理解していくことだと思うが、そもそもGiftedが浸透している概念ではないから難しい。OEと付き合うには自身をある程度許してあげること。負の反応を認めてあげること。それがきっと大事なことだ。